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こ、これはえぐいぞ……[世界は闇に包まれる(作者:片森 皐月)]

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評価:6/10点

 

TwitterでRTしたやつを読んでいく企画第一弾。てか、ツイートしてから半日で30以上RTされてるんですが……w これ当分終わらないやつじゃ……。

 

ま、まあ気を取り直していきましょう。

 

私は(頭が)ファンタジーの人なので、こういったサスペンスはどちらかというと読むのが苦手なのですが、しかしせっかく機会を作ったのに、避けて読まなければ企画倒れも良いところ。食わず嫌いをせずに飛び込みました。

 

一応一通り読み、まあまあ楽しく読めました。個人的にはいきなり当たりが来たかなというところでした。特に生々しくおどろおどろしい描写を始めとした、文章力が見事で、私にはとても書けないなあと感心するばかりでしたね。最初の数話読んで、うわあこれ……となりましたからね(笑)

 

ネットという媒体だと、文章が固まっていてちょっと読みにくい部分もあったかもしれませんが、この重たさも味だと思えさほどば気にならず。

 

しかし、文章こそ見事で引き込むものはありましたが、キャラとストーリー展開で惜しいところも多々あったように思われます。

 

主人公の狭間 十夜。彼は良いキャラクターですね。最初から飛ばしていきます。成り行きとはいえ、好奇心から両親を手にかけてしまう純粋無垢な残虐性とか、いかれた人物の内面をしっかり描けていたと思います。

 

あれだけ殺しまくってたらすぐに足が付くだろうというツッコミはありますが、そこは小説なので目を瞑ることとして(笑)

 

ただ……途中で登場する直輝というキャラクターが、話の展開役としては動かしやすいキャラクターだと思いますが、いささか主人公の神秘性に水を差してしまったかなと。

 

途中からメインの方向性が、「常人社会に潜む狂気の闇」ではなく、狂った者同士、殺人鬼同士のバトルものの様相を呈してきてしまったことで、主軸がぶれたというか、やや世界観に現実的な説得力が失われてしまったように感じます。

 

なんでお前らで殺し合ってるの? と思ってしまったのです。よく読むと、直輝がターゲットにしたからということでしかなくて、十夜も何だかやけに素直に頷いている。対峙したら、流れで殺し合い。本当に意味もなく一般人を殺しているのと違って、あえて殺人鬼を狙う根本の理由がよくわからないのです。そんなスタンド使いみたいに惹かれ合わないでしょう、と。

 

何だろう。素材は良いのに、とても、勿体ないような……。傍目から何考えているのかわからない、不気味そのもの、死に魅入られた殺人鬼だったはずの主人公が、次第に(良くも悪くも)、「まだ普通の側の人」(みんなだいぶおかしいんですけどね)に感化されて、同情だとか友情だとか覚えていって、人らしくなっていって。また悪く言えば、安っぽいダークヒーローじみたものになってしまったような。悪人が何かと理由付けて悪人を殺したって、あんまり嫌な感じはないですよね。それでも十夜は他人を見殺しにしたりとか、まだまだ不気味な側面もありますけど、そこをもっと尖らせてくれた方が、初期からの筋は通っていたと感じます。中途半端にキャラを良く見せようと、可愛がってしまったのかな、と。

 

浦沢直樹のMonsterのような戦慄ものを期待していたら、ちょっとずれたものが来てしまったかなあと。好みの問題ですけど、そこが惜しかったと感じました。ですが、中々楽しめました。続きも頑張って下さい。応援しております。